2014年12月10日水曜日

IT今昔物語 磁気テープの話

大須賀です



データ交換に用いるメディアも、ここ最近大容量になってきました。USBメモリでさえも64GBが数千円です。
30年前、私が業界に入ったときは、3.5インチ2HDのフロッピーが出始めでしたが、開発がメインフレーム上でのクロス開発だったので、オープンリールの磁気テープにはずいぶん長い間お世話になりました。

現在、磁気テープはほとんどカートリッジ型に変わったと思うのですが、今回はつらつらと、磁気テープにまつわる昔話をしようと思います。

フルリールと言われた磁気テープは、直径約40cm、幅1/2インチほどのオープンリール磁気テープです。主にメインフレームで使用され、長さは2400フィート、記録密度は6250bpi(Bit per Inch)です。

磁気テープにどのくらいの容量のデータが入るか、メインフレームの人に聞くと、シリンダ数で答えが返ってきます。昔、この習慣にはホントに納得がいきませんでした。だってシリンダ数ってディスクごとに違うはずじゃないですか。なんでXXキロバイトとかで話ができないんでしょうか。当時メインフレームからVAXへのデータ変換をよくやっていて、いつもイライラさせられました。

計算すると、1リールで入る容量は、なんと180MB。USB3個分かーと思いきや、あっちはギガバイトです。こちらはメガバイト。フロッピーディスクなら125枚分ですが、いまや携帯電話のメインメモリだってギガバイトです。新人の頃はテープ何本も紙袋に入れて工場を渡り歩かされたので、指に紙袋ダコがありました。思い返すと本当に納得がいきません。

テープに書き込むためにはライトイネーブルリングという黄色い輪っかをはめます。
工場でよく蛍光灯の紐に黄色い輪っかがぶら下がっているのを見たことがありませんか?
最近はもう無いのかな?
あれがライトイネーブルリングなんですが(笑)データを書くときだけしか使わないため大量に余るので、どこのメーカーのどこの工場に行ってもそういう使い方がされていました。

メインフレームの高価なMT装置では、テープを高速に動作させるために、ヘッドの前後でテープを弛ませます。そうしないと、ヘッド位置でビシッとテープを停止させるとリールが慣性で止まりきれずにテープが切れてしまいます。弛ませたテープはバキュームで引っ張ってテンションを維持します。このバキュームがものすごい音を出すんですね。

磁気テープと言えば、私の後輩が日本のある国営組織の仕事をしていたときの話です。
その国営組織はいくつかの内部組織に分かれているのですが、組織間でとても仲が悪かったのです。後輩のプロジェクトは進行上の理由で仲が悪い先のマシンを借りて開発をしていましたが、アプリ開発を含め幾晩か徹夜して、やっとの思いであるデータをテープに落としたのだそうです。
その朝、その後輩は冗談でなく本当に泣きながらプロジェクト室に帰ってきました。メンバが何があったのか聞くと、マシンルームから出るときにMTの内容を聞かれ、届けが出ていないというと、マシン室の受付担当がテープに大きな磁石をあててぐるっとやって、ポンっとテープを返されたのだそうです。
若いメンバーでしたから本当に苦労して作ったデータを有無を言わさずぶっ壊されて、どうしようもなく泣きながら帰って来たのだそうです。

いまは笑い話ですが、セキュリティーの厳しい組織ですから、当たり前と言えば当たり前なのかもしれませんね。有無を言わさずぶっ壊すかどうかはともかく(笑)


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